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歯列矯正―抜歯

10月2日
抜歯の日である。
 
思えば6月の始め辺りだったかに矯正の相談に行ってから
はや四ヶ月余りが経っていた。とうとうここまできた。
ついに何かが始まるのだよ。
 
例の如く長女をスクールバスに乗せ、次女の用意をさせ
抜歯の前に済ませたい用事を口頭で何度も繰り返しながら
家を出る。
抜歯の後に郵便局は行きづらいしねぇ。
 
用事を済ませ歯科医のオフィスに到着後しばらくして
娘を連れて矯正医現る。朝だったからなのか、それにしても2人して
甘そうなドーナツ食べながら歯科医にやってくるとは度胸有り。
すかさず自分の分を割り次女にくれようとする矯正医。
そして、阿修羅のごとく首を横に振る次女。
『いいの?じゃぁ、チャールズにあげようかな』
って、犬も連れてきた矯正医。さすがに外に繋ぐ。
 
さて、なぜ抜歯の場に矯正医も同行することになったかというと
それは『ある種の骨移植』を私の下歯茎に施すためだった。
まえのアポの時に言い放った矯正医。
『やはり骨を歯茎の中に埋めて回復を待ったほうがいいと思う。
骨はうちにあるし、簡単だから』
え?今なに言いました?骨はうちにある ってどういう意味っすか?
骨・・・・『一家に一個』なアイテムじゃーないっすよ。懐中電灯やあるまいし。
一体なんの骨だーい?
それを思い出していた私、以前矯正医の自宅簡易オフィスで垣間見た
豚の胎児のフォルマリン漬け標本がまだ同じ場所にあることを祈る<ようこそ、梅図の世界へ
うそ。。。読み取ったな、するどい矯正医。例の骨として道具箱から出してみせてくれた。
小さい小さい筒の標本ビンに入った顆粒状の白いものがそれだった。
開封されていないビニール袋に入りレベルが張ってある。こんな状態なのか・・・・。
骨なんていわないでくださいよ。連想ゲームのはじまりになるじゃないですか。
 
いきなり歯科医が登場し、『えーと、抜く歯印するマーカー何色がいい?緑?赤?』と始める。
『え?僕?』と矯正医・・・。ちがうって・・・自分の歯に印つけてどうする。
『ちーがーうーよー、〇〇さん!<わたしのこと>(笑)』
『お、じゃぁ緑だよ、そりゃ』←なにを根拠に?
友達だけあって気のおけない会話がまたいい。
次女は矯正医の娘のソフィーちゃんとうまく遊んでいるので呼ばれるままに
診療台へ上がる。『さー!印してよー!よーくわかるようにねぇ。当然抜いていいような
のを抜くのと違ってどれ抜くのかハッキリしとかないとぉ』と唄うように歯科医。
矯正医がやってきて緑のマーカーで下の歯にチョン、でもって上の例の歯にちょ・・・・ん・・・??
ん?あれ?あれれ???反対側の歯にチョン!!!???えええええええ゙!!??
右側じゃないの!!!????左側???げーーーーーーーっ・・・・。
間違ってない?
『ほんとに合ってるかどうか確かめてョ、間違って抜くの嫌だしィ。』と歯科医。
『ヤップ、これで合ってるよッ』と矯正医。
どうやら間違っていたのは私。なーんだよー、あっち側の歯だとばっかり思っていたのに〜。
まださよならの準備ができてないのよ
左側の歯にしてみれば納得いかんことしかりだろうて。
右側が抜かれるとばかりに過ごしてきたこれまでの不公平はどうなる?
未練の無い迷惑千万な歯じゃなくて左側の歯だと知らされた私、動揺は隠せない。

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