@はじめての冬2@
チェインソーといっても大丸太に対応できるような大型のなんて持ってない。 |
ガソリンで発動する型とはいえなかなか目の前の倒れた大木の解体には |
時間がかかる。もう奴と私は雪まみれ・・。チェインソーは奴が使ってるから |
車内で待ってればいいものをすっかり『猛吹雪のドラマ』に『うれし』の私は |
ガキのような気分でスリルを味わっていた。30分ほどで解体完了。 |
『これまた戻ってきて拾って帰る』と良く言えば『倹約家』,悪く言えば『ドケチ』 |
の奴は目の前の木の丸太を眺めながらちゃっかりストーブ用の薪の仕入れ |
を考えていやがったのでございます。 |
そうもしながら森の深みを抜けて高速道路(ったって普通の二車線の道)の脇へ |
エスコートで無事たどりついた。道路の脇には民家があるからはっきりいって |
そこの敷地におもいっきり違法侵入していたんだけど^^。 |
そうしている間に雪のほうは小降りになり,しばらくしてうそのように止んだ。 |
それでもほんの少しでも地面に残っている限り車であの近所の坂は |
上れないから高速から折り返してちょうどその坂の頂上に駐車しておいて |
あとは徒歩でトレーラーまで帰ってきた。 |
『なぁ〜んだ,もう止んでしもたかぁ』 |
と,その当時は仕事もなくチョーお気楽だった私は珍しい雪の体験が |
少しでも長くエキサイティングに続くよう期待していた。まるで年長組〜。 |
ガッカリしたのだが,それからしばらくしてまたまた降りだしてきた。 |
しかも超大粒の牡丹雪。さっきのとは比べ物にならない。 |
さっき付けた雪の上の足跡もがんがん埋められていく。きゃ〜,遊ぶのよ〜♪ |
ゆ〜きぃ〜や,こ〜んこんっ♪大口開けて走り回る24歳・・・・。 |
その後2時間目の前が真っ白になるほど降り続け,止んだ時には膝上まで |
積もっていたのである。 |
坂の上に置いてきた車を心配しながら翌朝になって出勤する奴と一緒に雪を |
かき分けながら坂を上っていくと。。。あ・あれれ?ないぞよ,エスコート。 |
安っぽい赤のエスコート。ひえ・・・と思った時『あ〜あ!やっぱ,埋もれとるわ!』 |
と奴の声。あ・・・そうやった・・・雪に埋もれてたのだわ・・。 |
みてみると車の形らしき雪の山が曲線もなだらかに・・・・・・。 |
この辺か?と思うところを掘って手応え有り。 |
それをまた2人でガンガン雪かきして発掘するのだがこれがまたなかなか |
思ったより楽しくない(笑)。次ぎから次ぎへかいた雪が自分の足元へ山積もり。 |
これでどうやって車前進させられるんや〜。 |
あまりにも雪のかさが高くてエスコート前進させるのがちょっと難しそう。 |
2人でヒィヒィいいながら前を掘り起こして,私が車に乗り込み奴の音頭を合図に |
きゅるるるる〜んと凍った雪を跳ね上げまくりながらなんとかエスコートの |
発掘に成功したのであります。その日からは雪のほうもピッタリ振らなかった |
けれど,地面に積もった雪はその後一週間も地表にねばっていたもんだ。 |
渡米して最初の冬にこんな大雪(?)に見舞われたものだから, |
すっかりワシントン州西部の冬って毎年こうなんだと思い込んでしまった |
私だったが,実をいえばあの年の雪は地元の人達にとっても結構 |
珍しかったようであの冬以来も毎年ちょこちょこ雪が降ることは降るが, |
あそこまではげしい降り方はしていない。激しく降ったとしてもそのあとすぐに |
温暖化して雨になり結構すぐに溶けたりしている。 |
でも,しばしばあの時の冬を思い出しては『楽しかったな』と懐かしんでしまうな。 |
さてと,次の冬はどうかな〜? |