@はじめての冬@
思ったとおり話が前後して1990年。 |
渡米して初めての冬がきてしばらくした2月([立冬]って12月も終わり頃なのね), |
みぞれが降ってきた・・。小粒だがかなりしっかりしていて地表に溶けもせず |
結構どんどん積もって行く。一センチ半くらい積もった後ピタリとやんだ。 |
大阪・和歌山・神戸と日本では関西圏に生活していたから雪とかみぞれとかの |
類っていうのは結構観ていておもしろい。さっそく外にでて犬と一緒に庭の |
探索したりしていい大人がすっかり暗くなるまで遊んでしまった。 |
これくらいなら実家にいても冬の真っ最中なら一日中とはいかなくても |
ちょくちょくあることである。 |
しかし驚いたことに次の日になってもつもった「みぞれ」はなくなるどころか, |
昼すぎあたりからチラリホラリと小雪まで降ってきた。 |
雪が降るといつもそうだが,なんかワクワクしてきて度々窓から外を覗いては |
まだ降っているかどうか確かめたりした。まるで子供。 |
ストーブに薪をくべたり,いろいろ用事を済ませているうちになんか本降り |
になってきそうなカンジ。当時勤めていた仕事が休みで昼寝中の奴を |
起こしに行く。『ちょー,起きてぇ』『な,なんじゃい。眠たいド』寝起きは |
機嫌のチョー悪い奴である。 |
『雪本降り。どうする,車?』と私。 |
というのもこの近所,私道の土砂砂利道でしかも隆起のはげしい地表面 |
ときているからやたらに急な坂道が多い。 |
トレーラーから少しいったこの近所唯一の公道へのアクセスである道も |
またビックリするほど傾斜がきつい。も・ほぼ垂直・・。だから雪とか積もると |
普通の2輪駆動では上れない。4輪駆動でないと上れないのだ。 |
だから雪が積もって外界へのアクセス失って通勤不可能になる前に |
坂を上り切ったところに車を駐車しておこうという魂胆だった。 |
し〜か〜し〜・・・ |
す・すでに遅かった・・・(涙) |
すでに関西人の私には想像を絶する勢いでボタン雪がガンガン降っている・・。 |
『あ〜あっ!休まれへんド!明日仕事ぉ』と奴。それやったら昼寝すなよ。 |
みるみるパニック状態に陥った奴と私だったが,『は!』と思い付いたのが |
近所の森を抜けてハイウエイまで出る方法。近くに自然の道らしきものが植物に |
埋もれながらあったはず。そこなら下りで通れるはずだ。 |
さっそく大雪のなかエスコートで探索に。あるある,雪が積もっているとはいえ |
まわりの樹木が多少は遮ったかまだ通れそうだ。『よ〜し・・いくでぇ』と |
奥深い森のなかへエスコートごと入っていった・・。 |
森の中は振り込んだ雪にまざって深い茂みや低樹木などまるでジャングル。 |
どんどんウインドシールドや窓ガラスをかすって行く。 |
と,よく見ると目の前に倒れた大木が行く手を遮っているじゃないかぁ。 |
しかし準備万端でここまできた2人,エスコートのハッチバックからジャジャンと |
チェインソーを高々と取り出し,すでに森も遮れない雪の中大木の解体 |
にかかった。 つづく |