@住めば都?@
-バトル2-
さて,何度も言うがとんでもない物件の居住地である。実家の母をして『キャンプより |
一格上くらい』と言わしめたような住まいなのだ。とにかくこの土地を購入し,昔安く |
買い上げてそれまで別に住んでいた土地に置いてあったこのトレーラーを引いてきて |
設置した義兄の安易にもいい加減なやり方からして荒廃をまねく原因に充分すぎる |
ほどであった。トレーラーの床底が貼り付けられていないため,ねずみの格好の |
インビテーションとなるのである。最初は野ねずみみたい極々ちいさな,一見カワイイ |
ペットにでもなるようなものから侵略は始まった。夜中にがさがさガリガリなにかを |
かじる音がひっきりなしに続く。で,翌朝にはかじられたジャガイモや彼らのフンが |
そこらじゅうに落とされている。なぜか彼ら,フォークやスプーンのシルバーウエアの |
引き出しが大好きである。毎晩毎晩,引き出しを開けるとねずみのフンでいっぱいな |
ため,毎日毎日こってり引き出しを洗うはめになっていた。しまいには夜寝る頃に |
その引き出しだけ出しておくようにしたものである。その引き出しもそういったアビュース |
が高じたのか,よく壊れてはわたしがハンマーで修理していたのだが,ある日修理中に |
バっカーンと幾ピースにもバラバラになってしまい,今はその引き出しのところはなにも |
ない穴になっている(笑)。大体ここの引き出し全部が粗悪品で,閉まらない開かない |
の繰り返しなんだけど^^。開けるか閉めるかの途中で壊れてそのまま中途半端に出た |
まま開かない閉まらないの状態でつっかえてるのもあるし(笑)。 |
ねずみの侵略に『カワイイ感じのねずみ』なんていっていられなくなった私は撃退するべく |
トラップを仕掛けたりして応戦していたのだが,数と執拗さにかけては彼らの上にでるもの |
はなく,巣までトレーラーの床下につくられてしまったようである。もうこなったら,なめくじ |
のごとく『ねず公最後の晩餐』の『毒薬』しかない。ラットポイズンを使用したところ毎夜の |
噛り音もなくなり翌朝もフンなどどこにも見当たらなくなった。そうやってマメに夜中に |
なにかねずみらしき音をきいたらすぐにポイズンを下の納屋に撒くことにしていたため |
ねずみというものからもすこしづつ開放されて,ついには毒薬も使わずに済むように |
なった。大勝利といいたいところだが,それからしばらくして今度は寝室の床をものスゴイ |
音でかじる音が聞こえてきたのである。まるで部屋の中にいてなにかをびりびり引き裂い |
ているような音とともにその侵略はあまりにも貪欲に始まった。毎朝毎朝,陰の習性が |
あると思われがちなねずみの仕業とは思えないような室内の破壊力と汚染に悩まされ |
続けた。前回のようにポイズンといった手もあったが,その時は犬を放していたので, |
犬がそのねずみの死骸を食べてトラブルに陥るのも困る。そうこうしているうちにバス |
ルームの床敷きを壁のねずみ穴から半分噛って持ち去られる,真っ昼間でも家具の裏 |
を駆け抜ける,壁の中に巣を作る,ねずみ穴を室内中につくろうと夜中一斉に噛り音を |
たてつづける。そして寝室の床が今にも抜けそうになっているのを歩いていて足の感覚が |
グニャときたのを感じて発見!奴等の仕業であった。 |
そしてある日外からトレーラーをふと見やって愕然とした ───────────── |
なんとあの侵略の正体はねずみではなかった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 |
なんとラットであったのだ。大型のどぶねずみ級のラット・・・。 |
そいつらがカルガモのごとく行列をなしてトレーラーから這い出てきているではないか。 |
なんとこんなものを大量にはびこらせていたのである。フンのサイズが大きくなっていたと |
思った・・・・・。何十っていたんじゃないのか? |
み,皆殺しじゃ・・・・・・・・ |
とゴルゴのような顔になっていたのはいうまでもない。 |
犬のことがあったが,思ったよりクマもチェズも頭が良かったようである(笑)。 |
というよりラットが毒を食べてから,遠くまで行って死んだのかもしれない。犬達はいたって |
平然と事の成り行きを見守っていた。 |
ねずみとラットのバトルはそれでもほぼ毎年つい最近まで続いた。今もほんのときたま |
音が聞こえ,フンがどこかの隅に落ちていたりすることがある。そんな時はもう迷わず |
『最後の晩餐』を楽しんで頂くことにしている。インフェステーションはもうお断りである。 |