@住めば都?@
-バトル1-

何度も言うようだが,奴と私は白のコンテナのトレーラー,半端じゃない代物である
トレーラーに住んでいる。89年にここへ移った時点で究極のボロ廃屋だったのを
金を全然かけずに壁紙ペンキ塗りなどの『手入れ』を施したに過ぎなかったし
奴の無職時代も続いたのでこのトレーラー,経済的余裕という対策の根本を欠いて
退化の一途をたどるばかりの10年であった。とにかくこの住まい次ぎから次ぎへと
問題を投げかけては奴と私を右往左往させてくれている。はっきりいって疲れる(笑)。
 
この住まいトレーラーの他にリビングの部分をぶち抜いてもう一部屋義兄夫妻が建てた
ベッドルーム『モドキ』があるのだが当時はそこにこれも義兄夫妻から貰い受けた(って
置いていったってのが正しい)ウォーターベッドを置いて寝ていた。リビングをぶち抜く
際に以前そこにあった窓の領域を利用したので窓から日が差してくるべき所に部屋が
出来てしまい,リビングの暗い事ったらない。その代わりベッドルームは年がら年中
太陽とはいわなくても昼間の光はいつも差している。で,このベッドルームなのだが
建てられかたがかなりいい加減。部屋というよりバンガローといった方が近いのである。
 
89年の年末クリスマス・大晦日から新年とワシントン州ロングビーチで義妹の(といっても
私と同い年)家にお邪魔させてもらうことにした。89年の自分に起こった変化を祝い,
90年の門出を祝って楽しく義妹とその彼氏とで楽しく過ごしていたのだが,義妹の自宅前
でオバカヤローのクマ(当時4ヶ月)が車と接触してしまい両後ろ足骨折の重傷を負ってし
まったのである。地元の獣医へ駆け込み,手術・治療を施したのだが大金がかかったうえ
接触したバンはひき逃げ状態で近所の目撃者がシェリフに通報したりしていたのだが
結局泣き寝入りは避けられない状態であった。入院もあったので島に帰るのをまた
4,5日延ばし両後ろ足をギプスでカチカチに固められた『クマ』をエスコートに担ぎ乗せ
帰途についたときにはヘトヘトに疲れ果てていた奴と私。
 
歩けないクマをよっこらしょと担いでトレーラー内へ入り,リビングの先のベッドルームへ
足を踏み入れたのだが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
なんと,天井が抜けていたのである。
 
それもウォーターベッドの上にこの7日ほど降り続いていた雨の雨水と一緒に。
ウォーターベッドの上の毛布もなにもかもパァ〜である。
原因はいうまでもなく粗悪な建てかたからきた雨漏り。
アホ犬にあほ兄・・・・・・・疲れがドッと沸いて出てきたのは勿論であった。
 
さっそく翌日に電話で義兄に苦情の申し立てを行い,買い受けてから半年も経っていない
このトレーラーの修理を不承不承の義兄夫婦にやってもらうことにした。
建て方が悪かったんだから当然の報いよ,おじさん(笑)。
 
修理の終わったはずのそのベッドルームの天井はそれから,今の今に至るまで雨が降る
とすっかり雨水が浸透し全然直っていない。毎年毎年これである。もう義兄に頼む気は
毛頭ない(笑)。時効でもあるし暗黙に伏せてあるが,そうとは知らない幸せ者の義兄殿,
来るたびに『この部屋つかってないのか?』といつも覗いてる。
いつ落ちるか分からない天井見上げて寝ていられるかい?修理モドキも最後の仕上げに
手を抜いたね?と,政治評論家のように辛口批判を頭の中で音量一杯にしている私。
 
外の気候がそのまま反映するあの部屋というより空間,コンピューターのような精密機器
なんて置いておくとすぐに壊れてしまう。さ,今度天井が落ちてくるのが早いか,奴と私の

荷造りが早いか──────────────────────────────
競争である。

 

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