1990年秋にそこでパートで働いていた義姉から『アイランドベーカリー』で |
パンの包装の仕事をしないかとお誘いがかかった。 |
奴は当時ファーストフードレストランのアシスタントマネージャーの仕事 |
で,いつ辞めてもおかしくないくらい嫌がっていたから,やっぱりパート |
でもなにか他に収入があったほうがいい。 |
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というので恐々ながら勤めだすことに。 |
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『アイランドベーカリー』と称するこのパン屋(ま,焼き肉屋の訳ないわな), |
自宅から車で5分歩いても15分くらいのところにあり通勤には |
とても便利。ああらゆる種類のパンの製造の他にサンドイッチやスープ, |
サラダ,キッシュなどの典型的なアメリカンスタイルのランチを提供する |
ところで,これがなんと総て信じられないくらいの小さなスペースで |
やられているのだ。厨房のまたちいさいこと・・。 |
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建物や調理道具,パンやお菓子類のクッキングに使われる設備も |
ものすごく古くてプロフェッショナルな雰囲気が微塵もない・・。 |
原始的雰囲気をムンムン漂わせている。 |
なんかその昔はコインランドリーだったそうだ。ごっつぅぅぅ・・。 |
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しかし,私の仕事はそういった調理やパンの製造とは関係無く, |
朝の4時にそれまで焼きあがって冷ましてあるパンの包装をして, |
配達のドライバーが積み込みしやすいようにパンの整理を種類に |
応じて仕分けしておく作業だからね。 |
それも月・水・金の3日だけというパート中のパート。まあ一安心。 |
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初出勤の日。なんと3時前に起きだしていそいそと出勤準備。 |
最初の日だったから朝5時からの予定の義姉がついてくれていろいろ |
パンの種類とか仕分けの仕方を教えてくれた。 |
日ごろパンあんまり食べないし似通った種類のパンの見分け方なんて |
結構むずかしい。特にこの店の白パンであるオートミール入りのパンと |
4グレインといって4種の穀物の粒が入ったのはちゃんと控えておかないと |
見分けるのはもう不可能といっていい。これは金曜の朝に2種類一緒に |
なって焼かれてくる。月曜と水曜はそれぞれ1種類の白パンのみ。 |
製造なんて言葉使うと,なんとも大掛かりのように聞こえるが,ローカルの |
古くて小さなパン屋のことなのでパンの数も全部あわせて2・300個どまり。 |
後にスライスするようになるまではラベル入れて包装するのも結構 |
楽ちんだった。 |
配達のドライバーのおじさんにも2日目に紹介してもらった。 |
義姉がスクールバスのドライバーの仕事にありついてベーカリーを |
辞めることになっていたので彼女の後任のジョイスが配達のおじさんを |
紹介してくれたんだけどそのやり方が『うちのドライバーのマイクね』 |
ってな言い方。だからな〜れなれしく『あ・そう♪よろしくね』って挨拶。 |
それがよ,後になってそのおじさんそこの女社長の旦那さんだったのが |
分かって冷や汗かいたわ。ベーカリーのパートナーでしてん。 |
あのな,ジョイスはん・・・そんなこと一言も言わなかったじゃないのよ。 |
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ジョイスはちょっと変わっていて後に自分の名前を「ジョイ」と変更。 |
2年程して彼女が辞める頃にはみんなから結構怪しがられていたりした。 |
一本ぬけたようなおかしなことを勤務の時間が重なったせいでよくよく |
聞かされたもんだ。独り者で私より10くらい年上だったはず。 |
言葉がぎこちなく,この国の標準からして身体の小さな外国人の私を |
すかさず子分と認識した様子。ま,意地悪くないしそのままにしておこう。 |
そのうち威張りだすようになるんだけどね・・。 |
でも最初にこの私をここに推薦したくれたのがなんとジョイス。 |
義姉に薦めてくれたそうだ。不思議なことだ・・。 |
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